2002卒
 服部　亜希さん

　2002年に臼杵高校を卒業後、進学・就職で広島県に在住、12年前に帰郷し、臼杵市内で建築設計を生業としながら暮らしています。
幼い頃から絵を書くのが好きで、将来はデザインにまつわる職業に就きたいと漠然と考えていた私ですが、高校入学後所属した美術部で、ファッション誌やアート誌と同じように建築誌を広げながら熱く将来の夢を語る同級生との親交をきっかけに、建築設計の道を志すようになりました。臼杵高校で出会った感性豊かで高い志を持った友人達との出会いが、今現在の自分を形づくる大きな要素になっていると改めて感じます。
　登下校時に毎日くぐり抜けた“シルバーロード”が、成人式で帰省してみると、アーケードが撤去され“八町大路”に変わっているのに衝撃を受けてから久しいですが、臼杵高校周辺を含む市街地の姿は、少子高齢化の波を受けながら静かに変容しているのを感じます。
　建築・景観上の歴史的資源に恵まれた臼杵ですが、私が思うこの街の面白さは、先人たちが造り、繋いできたものを日常的な背景にしながら、今日も確かに人が暮らしている様、そして、そこで差し色のように新しいモノやコトが息づく様が随所に垣間見えるところだと思います。この魅力を次世代に繋げていく上で、建築という職能が担えるのはほんの一握りですが、この街の暮らしの背景を丁寧に造れる人間でありたいと思います。